2012年
6月
28日
木
~ 災害廃棄物広域処理に振り回される各市・町 ~
府・県・関西広域連合には災害廃棄物受け入れに対する「処理権限」「処分能力」そして「安全基準の決定」と何一つ正式判断される立場ではない上、相談や協議もなく決定することで信頼性は大きく失われているからであります。
特に震災がれき処分の基準は市民や市・町としては重要な関心事にもかかわらず、根拠のない基準値の発表、さらに簡単にそれを変更、そして府・県と関西広域連合との対立等を見ていると、
~~~ いい加減にしてやー
と言いたくなる ~~~
科学的裏付けがあるのか等と問題点の批判合戦は関電の電力不足問題の時と同じで安全基準を重視している市民・市・町そっちのけのパフォーマンスに終始しているのであります。
結局、私は環境省にこの現状を説明しますと、大阪湾広域臨海環境整備センターへの受入れについて、府・県等の争いによるものかもしれませんが、それほど期待感を示さない雰囲気を感じました。
ただその中で大阪市は環境省の許可を受け、岩手県から船で運びそして焼却灰は人口島の夢洲(ゆめしま)に埋め立てることが決定し、秋頃から焼却する方針のようです。
ところで当初環境省は岩手県・宮城県の木くず,可燃物,不燃物の400万トンを広域処理要請していましたが、今回見直しをした結果、
不燃物 146⇒129万トン (県内再生利用)
木くず・可燃物 255⇒105万トン
と見直されました。
広域処理要請対象の“木くず・可燃物”は見直した結果半分以下になりました。
現在、大阪湾フェニックス計画の中では災害廃棄物の具体的な受入れ方法・処分方法等について、国の個別評価にどのように対応していくのか決定はまだしていない状況であります。
フェニックスについては一自治体が判断し処理を決定しても、大阪湾に関係する168市町村すべての自治体に関係することになり、風評被害の問題がでれば漁業関係者等、広範囲に影響していくだけに非常に重い責任を負うことになります。
その意味では、一方的に方針を決定することなく参加自治体との十分な事前協議や関係地元市民の意向を尊重した上での決断を、つまり最終的に政治判断をしなければならないでしょう。
神戸市会議員 平野章三
2012年
6月
23日
土
先日、富山県で男児(6歳未満)が脳死と判定され、10歳未満の女児2人に心臓と肝臓が、60歳代の女性に腎臓が移植されたことは多くの方がご存知でしょう。
私も子を持つ母として、そのような瞬間に同様の判断が出来るか考えさせられました。
男児の死は悲しいことですが、その男児は自分の命を2人の女児と1人の女性につないでいます。
「このようなことを成しとげる息子を誇りに思っています。」
と、語るご両親の気高さに心を打たれます。
命に重さの違いはないといいます・・・その通りだと思います。
命に重さの違いはない・・・つまり全ての命が平等に権利を持つということではないでしょうか。
教育もまた然り!
全ての子どもたちに平等な生活と教育が守られる権利があります。
これは偏ってはいけません。
実は今 神戸市では、全中学校に給食をという動きがあります・・・
多くの議員さんも給食制度になるように意欲的に行動していらっしゃいます。
そんな中で平野章三は「給食も大事やけど特別支援学校の生徒の件も大事やないか!」と意見を述べています。
前年度、特別支援学校にお子様が通われているお母さまから「来年度通学バスが1台減ってしまうかも・・・」とご相談を受け、それがどういうことなのかを聞いて驚きを隠せませんでした。
特別支援学校にお子様が通学されるご家族にとって通学バスがないとどういうことがおきるか、説明されてみれば全て納得がいくことなのですが、説明されてみて気付いた自分も情けないと思いました。
この通学バスの件は、平野章三が教育委員会にお話しして、今年度もバスの台数を減らさずどの児童も乗れるようになりました。(4/22ブログに記載)
給食ですが、3人の子を中学校に通わせた経験がある私としては、結論から申しますと必要ないと思います。
勿論あった方が楽ですし、私自身は給食のある中学校に通い、小・中学校は給食があるものだとずっと思っていました。
子どもが小学校に通い始めて校区の中学校に給食制度がないのを知りショックを受けたものです。
しかし、そもそも給食制度は日本の未来を担う子どもたちが栄養失調にならないように健康のために始まったのではなかったでしょうか?!
平野章三は言います・・・ 予算配分を考えれば、全ての生徒に重点をおく必要がある特別支援学校を優先すべきであり、給食問題は財政にゆとりがあれば決して否定するものではありません、と・・・
私もそう思います、決して給食制度に反対しているわけではありません。
必然性はないと申しているのです。
これは価値観の問題で必然性があると主張されるご家庭もあるかもしれません。
ただアレルギーがある児童のご家庭もいらっしゃるので議員の先生方にはその辺も考慮して進めて頂きたく思います。
C・J
2012年
6月
20日
水
広域連合設立にあたり『広域にわたり処理することが適当である事務』と位置付けられており、本来、防災・医療・環境・観光等、広域的に連携することによって各都市の行政力が有効に発揮できるような団体であるべきであります。
しかし、国の出先機関を “丸ごと移管” として求めたり、連合委員会で企画・調整を行う事項等、権限強化や色々な分野に参画し意思決定権を持てるような組織になりつつあり、場合によっては都市間の新たな火種が生じる恐れが出てまいります。
例えば神戸市のような政令指定都市は直接国と協議の上、予算が決定され、出先機関とは事業内容の調整を行うことになります。
しかし広域連合が地方で権限を持つと
国での予算が決定したにも関わらずその予算が神戸市に入らず広域連合の権限の中で新たな予算が配分され、都市間の争いが生まれてくる可能性も出てまいります。
又、震災廃棄物の広域処理問題等は市・町で焼却や処分を行いますが、処理能力と権限のない府県が根拠のない処理基準値を各市・町に協議なく勝手に決定したり変更したりするので、不満と混乱が起きています。
さらに「関西イノベーション国際戦略総合特区は医療分野等、国が特別に規制緩和や予算を認め、すでに広域的な協議をしているにもかかわらず、体制強化という名目で絡んできます。
==これこそ二重行政の解消が
新たな二重行政を生み出しているのであります==
矢田市長は参加してから発信していくとの考えですが、
~それでは手遅れ~
私は6月市会の議案提出前に特別審査委員会を設置し、議論の上、問題点等を事前に広域連合へ申し入れるべきと進言してきました。
問題は参加してしまうとその中で都市間競争が始まり、広域連合議会での神戸市は1議席しかありませんので、その時市長とともに議員も力量が問われることになってきます。
政策に精通し強い発信力で戦える人材が送り出せるか
今後の大きな課題でありましょう。
神戸市会議員 平野 章三
2012年
6月
15日
金
電力不足問題で大阪府・大阪市そして関西広域連合は“再稼働することなくこの夏は乗り切れる”等と関西電力批判ばかりに終始し、法的権限もなく,責任を持つわけでもなく同じ批判を繰り返してきました。
もし計画停電になったら批判してきた人達は電力供給することが出来るのでしょうか。
治療中の患者や高齢者の方々そしてそれこそ想定もできない市民生活に影響がでた場合、責任を取れるのでしょうか。
そんな立場で発言をされた首長は
いませんでした。
パフォーマンスごっこより現実対応を重視すべきであり、私は電力問題の説明や協力をする会の開催を早急に行うよう神戸市に申し入れてきました。
そしてようやく説明会の案内を神戸市が出した直後、橋下大阪知事・松井大阪府知事とともに関西広域連合が一転して『原発再稼働を容認』したので、状況は変わるかもしれませんが、依然関心の高さは変わらないようでありました。
市民生活を守る立場から神戸市が関西電力に説明会を開催させたようなことは全国の自治体でも初めてではないでしょうか。
当初の予想より参加者が大幅に増えたため、会場を神戸サンボホールにに変更し、各種団体を対象に約300人に対して
平成22年度比 15%節電
の要請をし、個人や法人向けの節電策に理解を求めたのであります。
そして気がかりは関西広域連合が突然再稼働を容認したことにより国がどのような判断をするのかまだ不透明な状況の中で適切な説明ができるのかどうか・・・。
やはり会場では再稼働した場合の質問があり、
「節電目標については確実に決まった段階で対応する」と答え、
「供給については大飯原発がフル稼働した場合、揚水発電量も増え、需要にほぼ対応できる」とのことでした。
ただし、電力供給の予備力として3%程必要なので引き続き節電協力の依頼はありました。
中でも一番重要な問題は電力不足による計画停電でありますが、区域割りやスケジュールを国と協議の上、6月中旬ごろ発表するようです。
もし計画停電があった場合、医療・福祉・交通関係等々に大きな影響があり、神戸市も参加された各種団体の協力を得ながら市民を守れるように、この説明会を今後の連携強化に繋げる準備をしていく必要があると思いました。
パフォーマンスが目立つ首長の方々からは批判しか聞こえてきませんが、今回神戸市が行った説明会のように、市民生活に影響する場合に対応できる準備を着実に進めていくことが本来、行政のあるべき姿ではないでしょうか。
神戸市会議員 平野章三
2012年
6月
11日
月
実に面白い駆け引き==その戦略
とは・・・
関西空港・大阪(伊丹)空港の経営統合(7月)に向け、地元府県・経済団体で基本方針を話し合う両空港運営会議が開催されました。
そこで国交省が「伊丹の将来的な廃港の検討」という文言を条文に入れることを事前に流したことで連日賛否論争が繰り広げられ大きな話題になりました。
当然、井戸兵庫県知事(とともに大阪市を除く地元11市協)は削除を要求、松井大阪府知事・仁坂和歌山県知事は明記すべきと激しく対立していました。
==しかしこれこそ想定通りで==
橋下市長・松井知事は「関空に軸足を置くことがしっかり書き込まれている」と満足しているようでしたが、実際は仕掛けにうまく乗せられたと思います。
本来、『廃港も含め将来のあり方を今後検討する』という内容は、廃港や時期そのものを明記された訳ではなく、2045年リニア新幹線開業を見据えての話であり、ましてや30年以上も先のことであります。
果たしてその時期、私も含めて皆さん元気でいるのだろうかわかりませんが、この程度の内容が重要な報道になってしまいます。
~~~だからこそこの戦略が見事に成功~~~
狙いは別にあり!
それは伊丹空港の規制緩和として低騒音ジェット機をプロペラ機発着枠内で認める重要な文案を如何に目立たせず条文に盛り込ませるかであり、結果、現に松井知事は特に反論はなかったようであります。
しかし、関空を拠点空港と考える橋下市長は伊丹空港のジェット機発着枠の緩和による長距離便を増やすこと等には強い反対の意思表明をしており、航空局としては協議会での素案に盛り込むことは至難の技であったと思います。
結局、国や府市がそれぞれ激しい条件闘争していますが、
本来は <<利用者の利便性からの立場で>> 選択 してもらえるようにすれば、航空会社も需要と供給のバランスによる空港活用が自然に決まっていくはずであります。
まさに利用者を置き去りにしたこの光景をどう思われますか。
神戸空港が利用者不在の規制と圧力をかけられていますが・・・
~~これも戦い・いよいよチャンスが~~
神戸市会議員 平野章三
2012年
6月
06日
水
神戸の街を代表する六甲山、植林後約110年経過し十分な手入れがされていないため今後森林を維持・再生するのに昨年度 森林整備計画策定の検討会議5回行なわれました。
そして準備期間のモデル整備とともに短期2025年・長期2050年として目標年次まで設定されました。
しかし六甲山だけでも森林が約9,000ha(道路用地も含む)あり、約半分が民有林であります。
これを大規模整備事業ということで〝整備戦略〟という表現を使っていることに大変疑問を感じています。
何故なら現状、課題そして将来像、整備方針等は検討できますが、最も重要なことは整備費用の資金調達であります。
このことについては森林生産物による収益、個人や企業による寄付金、基金運営や公益信託を利用したファンドの確立等、具体性のない絵 を描いていると思います。
私は資金調達計画を立てていくことこそ本当の意味での戦略であると思います、そこで・・・
――――― 皆さん、条例で決定された「県民緑税(みどりぜい)」をご存知ですか? ―――――
== 県民緑税の概要は ==
① 課税方式 県民税均等割の超過課税
② 納税義務者 個人 1月1日現在で県内に住所を有する人
法人 県内に事務所等を有する法人等
③ 超過税率(年額) 個人 800円
法人 表示税率の均等割額の10%相当額
④ 課税期間 《第2期》H23~27の5年間【《第1期》H18~22を延長 】
⑤ 税収規模 約120億円(5ヶ年)・・・(年間約24億円)
⑥ 使途 森林整備・・・約88億円 (73%) 年間約17、6億円
都市緑化・・・約32億円 (27%) 年間約 6、4億円
⑦ 神戸市域内 約36、5億円(個人約26、5億円 法人約10億円) (5ヶ年)
税収見込み額 年間約7、3億円(個人約5、3億円 法人約2億円)
以上 県民緑税の状況ですが、第1期(5ヶ年分)では県から神戸市への補助は年間約1、5億円であります。
神戸市民が納めた県民緑税の中から約20%程の補助金しか頂いていません。
森林整備(対象六甲山等)だけ見ると第2期1年分は約5,000万円の補助金だけであります。
納得できません!
150万神戸市民は同じく県民でありますので県の条例で緑税を強制的に徴収しますが配分は神戸市の納税者人口の配慮は全くなく大きく公平さを欠いています。
このような状況を神戸市建設局や行財政局は放置してきたのではないでしょうか。
財政局は県要望しているとのことですが、この際私は次期5ヶ年更新をする可能性がありますので公平な予算配分を県に強く求め、認めていただけないなら次期更新後の緑税徴収作業を拒否するぐらいの交渉をすべきと申し上げました。
場合によっては神戸市単独の緑税に切り替えたいぐらいであります。
市民財産の六甲山森林保護を建設局が本気で取り組んでいくなら、このような財政問題を見過ごしていては〝戦略〟という言葉だけ踊って、結局森林整備は進まないのではないでしょうか。
県に対しては建設局だけではなく行財政局・環境局等とともに各局が一体となり神戸市全体の問題として戦うような気概を職員さんは持つよう求めます。
その後、企画調整局より新たに「六甲・麻耶活性化委員会」を発足するとの報告を受け、既に建設局が「六甲山森林整備戦略」を打ち出しているのに調整もなく、この六甲問題でもやはりバラバラで進めていくようです。
まだまだ意識改革にはほど遠いようです!
神戸市会議員 平野章三
2012年
6月
01日
金
原発全廃を求め 「安全性が確認出来なければ再稼働すべきではない」 と言い切った橋下市長!
その後「再稼働は限定的」 との文言で容認
あまりの変身ぶりに思わず笑っちゃいました。
政府が再稼働に動きだしたことで関西広域連合の首長たちは内心助かったと思ったことでしょう。
関西電力批判していた広域連合が一転容認へ・・・
滋賀県知事さん等が細野大臣に笑顔で握手を求めに行く姿を見た時すでに出来レースの終盤に差しかかっていたのでしょう。
橋下市長・松井知事以外の知事は厳しい批判をしつつもどこか本音が見え隠れしていました。
何故なら速やかな脱原発等の発言は一言もありませんでしたので、苦渋の決断による再稼働容認と言っても何となく逃げ切れるでしょう。
むしろ報道関係等は政府に対して不信感や迷走ぶりを大きく取り上げておりましたが、最もぶれたのは橋下市長と松井知事であり 「大阪財界との会食(5月15日)直後に何故か大変身」
これこそ何をか言わんや!
――――― パフォーマンス合戦の政治がいつまで評価され続けるのだろう ―――――
神戸市会議員 平野章三