【 平野 章三 の質問 】
教育委員会事務局総務課係長自死の判決に対する控訴について、まず反対をいたします
このたびの判決では、当該職員の過重労働を認識しながら安全配慮義務を怠ったとする内容が言い渡されました
教育委員と教育委員会事務局との窓口として当該職員に特に強い精神的負荷が継続しており、追い詰められた当該職員への安全配慮義務を怠ったものであると認めたものであります
そして、このたびの判決は教育委員会事務局と教育委員との間のいびつな構造を浮き彫りにするものであると認識しているのであります
本来、教育委員は人格が高潔で、教育、学術及び文化に関し識見を有する者が任命され、それぞれの多様な属性を生かし、よりよい教育行政の推進に議論を行うことが期待されているところでありますが、実は真逆であり、その状況は、例えば令和2年1月16日の第4回神戸市総合教育会議の議事録でもうかがい知ることができます
この会議では、冒頭に教育委員が事務局の連絡不足や情報提供の遅延を強く叱責しました
しかもこの会議の4分の1ほどは、このようなことに時間を費やしていたのであります
それに対して教育長は、教育委員会事務局から教育委員や教育長への情報伝達はもう少し早くしなければいけない、事務局において反省をしてもらう必要がある、また教育次長は、非常にお粗末、教育委員会事務局としておわびを … と、責任を事務局職員に押しつける発言を行いました
教育委員会事務局として、教育委員の承認がなければ施策が進められないという構図は理解できたとしても教育委員から本来の教育施策議論でもなく、事務的処理などを嫌みで事務局職員を追い込む発言をしていたならば、教育長・次長は堂々といさめるべきであったのではありませんか
ところが当該職員が2月9日自死された翌日、教育委員が教育委員会事務局幹部を更迭しようと発議があったのです
自死された翌日なんですよ !
前代未聞の内部抗争であり、教育委員と事務局との関係は完全に崩壊しておりましたが、それでも教育委員に対して頭が上がらず謝るしかない
つまり教育委員に物が言えない! 反論できない!
このいびつな構造により、当時調整役を担っていた当該職員が教育委員と事務局幹部の板挟みになり、相当の精神的負荷を背負っていたことは明らかであり、今回の事案を引き起こしたことの根本的な原因はそこではない
でしょうか
つまり、実態は教育委員会事務局職員の皆さんが教育委員による本当の犠牲者ではないでしょうか
このいびつな構造を放置し続けた当時の教育長・次長などの幹部職員の責任は重大なものと考えますが、御見解をお伺いいたします
【 教育長 の答弁 】
教育委員会、教育委員並びに事務局との関係については、もう議員も御存じのようにきちっとした法律に基づいて規定されております
当時も今も神戸市教育委員会並びにその事務局との関係はそのようなものに基づいて粛々と行われていると認識しております
ただ、当該職員と関係のあった当時、垂水区の中学校の自死事案でありますとか、須磨区の教員間ハラスメント事案を受けて、事務局もそうですが
教育委員自身も相当な緊張感や、ある意味での事務局への不信感等も持たれていたことは事実だと思います
それによって、総合教育会議や教育委員会会議等で教育委員から普通ではなかなか考えられないような御指摘を事務局が受けることとなったのも事実だと思います
特に資料の送付であるとか、内部の意思疎通であるとか、基本的なことについての指摘を受けるということは、普通ではなかったのではないかなと私は思っております
ただ、そういう中で当該職員ですが、担当ということで時間的なものとか、定量的なものではなく、精神的な部分で御本人なりの一定の負担・負荷があったということ、これも事実だと考えます
いろんなことが突発的に教育の世界、学校現場で起こりますので、それを受けた教育委員会事務局並びに教育委員会の動きについては、なかなかマニュアルどおり進まないこともありますが、当時の状況の中で混乱をしてその結果、大切な大切な命を失うということになったことは、やはり今後何らかの形で体制を整える上での教訓にしなければならないと、そのように考えております
【 平野 章三 の質問 】
新任の教育長さんですが、やっぱり教育委員にはすごく気は遣ってると思いますが、今、仰ったように教育委員は須磨区も垂水区の事案も非常に大変だった ! と、しかし大変だったのは教育委員だけと違いますよ
みなさんそうなんですよ!
その中で、本論の本質論は全然議論がなかったこと、これ議事録に載ってますよ
例えば垂水とか六甲アイランドの事案、こういうところでも教育委員は現場には行ってないんですよ
現場にほとんど行かず机の上だけで判断しているが、もっと内容のある議論をして頂きたかったです
私は教育委員会の審査のとき、職員が亡くなられた後、すぐ同僚議員から全部アンケートを取れと言ったら 〜 次長が今、大変なときだからちょっと収まってからにしてほしいと言っていました
結局、アンケートを取る対象者は組織的に安全な管理職、課長以上の10名ぐらいでいろいろ調査したのです
でも本当に同僚の仲間がいろんなこと言ってきているのですよ !
私のところの控室に来て「いい人物なのに」と3人ほどの方が涙を流してました
そういうことの調査をするのに同僚のアンケートを取ればもっと詳しくわかったのではないでしょうか
確かに教育委員会に政策を通してもらわないといけないが、頭を下げまくるというのは、本当に考えたほうがいい
こういうやり方をしていたら教育施策とは別に言いなりになるだけです
明確に問題あると思ったら指摘すべきです
私は新任の教育長には強く言いたいです!!!
それともう1つ、御遺族と色々なやり取りをしていたのですが、判決がでましたよね 〜 その前に何故和解ができなかったのか?
特に、2か月近く御遺族と全く連絡取れてなかったし、訪問もしてない! なので自死された職員のお父さん、かなり怒ってました
こういう初動の動きが教育長、次長にはなかった
だからそういう意味で、やっと面談できても感情的になっていたのではないですか?
つまり、裁判所が和解を勧めたこの時は、既に感情的になっていたんじゃないかと思います
だから本当に初期の行動がうまくいってたら、ひょっとしたら和解できたかもしれませんが、その当時何故和解が出来なかったのですか
【 教育委員会事務局長 の答弁 】
神戸地裁におきまして裁判の経過の中で裁判所から和解案が提示をされましたけれども
その内容が本市の主張がほとんど認められていない内容となっておりましたため
本市としてはこれを受け入れることが難しいと判断
をした次第でございます
【 平野 章三 の意見 】
私は本来、和解でじっくり話すべきやったと思います
今回、議決されるということになると思いますが、判決後の控訴になると思います
ただ、控訴した後でも教育長 ! 本当に和解の動きに向けて足を運んでください
もう、今までの対応では問題を積み残したままになると思いますのでよろしくお願いします!
神戸市会議員 平野章三