外郭団体の神戸医療産業都市推進機構における研究開発については、企業やアカデミアのニーズに的確に対応することと、企業や人材の集積、産業化の促進に資する、より実践的なものが重要であると考えているようです
しかし、必ずしもそうはなっていないことは承知しており、体制とか計画をしっかり精査し、より産業化につながる組織となるよう取り組む考えです
そのような取組は本当に前向きでいいとは思いますが、国において研究開発する場合は、いわゆるガバナンスというか、そういうものがあれば参考にしたいと思いますが!
そこで神戸市の公費による研究を支援するのであれば、研究対象の選定や進捗状況、これは公益性にかなっているかどうか、産業化に資する成果が得られているかどうか、十分見極めが必要と思うのであります
特に税金投入してますから、我々議会、市民にも説明が十分果たせるような状態でないと駄目だと思います
一般に国の補助金など支援の下に実施されている研究については、研究対象の選定や進捗状況の評価をどのように行っているのか、つまり研究の継続の適否など、どのような判断をしているのか、現状具体的な面でお伺いします
【 企画調整局医療産業都市部部長の答弁 】
今、国の補助金などの支援に対する評価、進捗の管理という方法について、国や大学の研究機関において、統一的に運用されているような評価スキームというのは存在しませんが、国の研究開発評価に関する大綱的指針というものが国から示されており、こういったものを参考に各機関におきましては、研究が効果的・効率的に進められるように、進捗状況の評価や取組が行われているというのが一般的だと承知しております
少し具体的な例として、医療分野の研究開発及びその環境整備を中核的な役割として担っているAMEDが知られております
( AMED: 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 )
そこで、日本医療研究開発機構を例に取って御説明させていただきます
この法人は御案内のとおり従来、文部科学省、厚生労働省、経済産業省が独自に実施していた医療産業分野における研究開発を一元的に実施する機関でございます
こちらにおきましては、外部の専門家を積極的に登用した評価委員会において、事前評価、中間評価、事後評価という形を実施して、その課題の評価を行っているところでございます
この事前評価といいますのは、実際にそういった予算の趣旨に合うように公募された公募要領に基づいて、提案がなされた各研究課題につき公募の趣旨に合致しているか、科学的な価値があるか、あるいは実現可能性があるかといった観点から、優れたものを選抜されるような仕組みでございます
また、この事前評価につきましては、公平性・透明性の観点からも、外部の専門家で構成された評価委員会で評価される仕組みになっています
また、終わったときにもやりっ放しにならないように事後評価という形で研究終了前の適切な時期に、同じく外部の専門家で構成される評価委員会にて、その評価がなされるという設計になっております
また、評価の期中〜研究の中間におきましては、基本的にはその分野の専門家で構成されますプログラムスーパーバイザーあるいはプログラムオフィサーといった専門家の方により、指導・監督の下、研究が進められるということになってまいります
また、研究が長期にわたる場合には、中間評価というのも別途行っており、やはり外部の専門家、有識者を交えた評価体系で評価を厳正に行われているというところです
つまり、研究機関によってそれぞれの評価ありますけれども、外部評価を中心に評価は適正になされているところです
【 平野 章三 の質問 】
AMEDというお話があり、国ではきちっと、国なりのガバナンスがしっかりあるとのことところが、私はずっとこの25年見てて、それが神戸市にあるのかどうか、非常に疑問視をしています
なので、国などと本当に同様の水準で管理されていることが大事で今の神戸市の管理ではそういうものが見えてこないし不十分と思います
例えば【 外部の有識者による評価を導入 】するなど、研究内容を管理する仕組みを構築するということを、神戸市の中できっちり立ち上げるべきと思いますが、その辺のところはどうなんでしょうか?
【 企画調整局局長 の答弁 】
研究評価の件、一般的に研究についてはその成果や有効性、波及効果等客観的に評価を行うことにより、その研究事業が進展していく、ここにつなげていくことが重要です
そのため、今の推進機構の各研究評価に関しましては【 年に1度ですが機構の幹部職員による研究事業成果レビュー 】こういう取組など行っているところです
【 ただ、この評価は内部の構成員によるもの 】で、先ほど答弁させて頂いた国でやっているような外部有識者による評価ではございませんので国の評価と同様、同等のものが対応されているということは今のところありません
もちろん国の組織とこの機構を一概に比較することは難しい面もございますが、ただ市民から信託された市税を財源として研究開発の基盤を構築している機関である以上、研究成果が地域経済の活性化ですとか、市民福祉の
向上等を通じて市民に還元されることが、当然求められるというふうに考えていますので今後、市からの財政支援に見合った十分な研究成果が得られていることをしっかり見極められるように適切な評価の在り方について、検討
導入をしてまいりたいと考えています
【 平野 章三 の質問 】
評価基準というものが本当はあれば、我々議会でも具体的に少し分かってくるし市民に伝えることもできますが、機構の内部でいくら対応されていても見えてこないのが現状です
これが25年経過し、今後また20年先どうしようかという状態ですからやはり基準が必要と思います
機構の事業内容は当初の20億円近いのは別として、毎年8億円ぐらいは定額でずっと支出されてきてます
機構が公益財団法人ということで、公費による固定化された財政支援を前提にした運営は、当然という考え方はあってはならないと思います
研究開発とかを通じて企業の集積や雇用の創出をしていく中で、具体的な成果について、厳しく見極められる出捐金の適否を判断するということができれば一番いいと思います
我々、基礎自治体の神戸市もそうなんですが、研究開発の内容を適切に管理する仕組みは簡単に構築できないと判断してますが、研究開発に係る
ガバナンスを強化するにしても、出捐金が決して研究活動それ自体の支援にとどまることのないように、研究開発に対する適切な財政支援の在り方を今後見直して頂きたいのですが、今すぐには答えは出ないと思っています
しかし、今回は 機構に新たに会長職を設けたこともあり、外部のいろんな意見もあるので、思い切った見直しをして下さい
ただし、研究開発を批判しているわけでは全くないので、これは十分御理解いただいて、同じ資金をつぎ込むのにそれをどうつないでいくかということに、できれば管理体制、ガバナンスをきっちりして頂きたい
これは今日質問させてもらったけど、ずっと追い続けて確認したいと思ってますが、やっていただけますね〜
【 企画調整局局長 の答弁 】
ご指摘のとおり研究開発そのものが否定されることはないと思います
基礎研究が例えば応用研究につながり、製品開発につながり、そしてそれが産業に広がっていくという意味で、こういうコンセプト自体は正しいとは思うんですけれども、ただ、行なっている研究が実際公益性のあるものなのか、どこまで産業化につながり得るようなポテンシャルを持てているかどうかは段階、段階でしっかり見極めるべきであって、今御紹介したとおり、国のほうでもそういう評価のスキームが取られていますのでそれが神戸でできているかというところも含め、しっかり精査をして、検討を進めてまいりたいと考えてございます
【 平野 章三 の意見 】
この度、25年経過した神戸の医療産業を最重要施策とした上で
財政支援に見合った十分な研究成果が得られ、産業化に向けての視点で
見直しをされるよう、引き続き申し入れをしてまいりたいと思います!
神戸市会議員 平野章三