3月に対象地域の指定を受ける国家戦略特区に神戸市は兵庫県とともに国へ挨拶回りをされていますが、神戸市としての活動方針、つまり戦略がいまだに決まっていないようで、明確な提案や強い発信力は感じられないのであります。
~~~ 何故かというと ~~~
今、神戸市は国が国家戦略特区の選定にあたり指定されない地域の反発や政治的影響力を持つ大阪等に刺激を与えず摩擦を避ける意味でも、選ばれるまでは静かに吉報を待つだけ という
(但し、水面下では当然動かれているでしょうが・・・)
つまり、
=== 何もしないことが戦略 ===
と考えているのではと思うからであります。
確かに神戸市は世界からも注目されるほど医療分野での環境整備が充実してきており、成長戦略の中で最重要地域として国家戦略特区の指定は現状のままでも間違いなく受けることは出来ると判断しているのではないでしょうか。
~ しかし、問題なのは ~
どのような指定の受け方になるのかにより、神戸市の医療分野が今後発展していく上で大きく影響を受けると思うので、神戸市の戦略が十分描けているのか非常に危惧しているところであります。
指定の受け方によっては、今維新が集団的自衛権の行使容認の件等、以前の憲法改正の話題と同じように自民党に協力すること等により、関西の中で大阪が戦略的に優位な立場になる様な交換条件が取り交わされれば、指定される国家戦略特区の関西地区は政治・経済の力関係で大阪主導のプロジェクトが進められるようになるかもしれません。
そこで早急に医療関連分野において神戸市域の中で特別プロジェクトの推進地域や事業内容を決定するよう検討し、神戸市独自の具体的な支援体制を打ち出す事を国に向けて表明すべきではないでしょうか。
特に今、円安になっても貿易赤字であり化石燃料需要増以外にも日本の製造業の国際競争力が落ちている中、企業の海外生産拠点を移した体制が既に定着してきており、輸出が一気に伸びないことも大きな要因になり、今後は医療分野で海外展開を含めた新しい成長戦略として評価される可能性が高くなると思うのであります。
その意味でも国家戦略特区の対象地域指定前に関西地域での短期成長戦略としての医療分野の受け皿は神戸であると明確に示し、強い発信をしておく必要があると思います。
神戸には素晴らしい財産(先端医療・スパコン・空港・・・)があり、神戸理化学研究所のさらに新しい万能細胞の開発もされましたので、神戸市は特に自信を持って、この機会に強いプレゼンテーションをすべきであります。
神戸市がスピード感をもって今後どの程度飛躍できるか、今まさにこれからの戦略にかかっているのでは!!
神戸市会議員 平野章三