医療関連企業が250社を超え、山中先生のノーベル賞受賞によるiPS細胞の再生医療,創薬,医療機器の開発が進められていく中、やはり並行してベンチャー企業の支援も医療産業都市神戸として重要な課題であります。
しかし、ベンチャー企業への投資ファンドの出資は企業育成といえども当然リスクを伴うことになる訳で、“どこまで支援するのか” その判断は難しいところであります。
ただ先端医療としては、iPS細胞による再生医療等、世界から注目され、日本の中でも神戸市は成長戦略の最有力都市にもかかわらず、このように投資ファンド等プロジェクトを進めるにも、十分な組織体制も予算配分も対応できておらず、今のままでは形式的な財政配分にとどまっている状況であります。
一例として、三宮駅再開発構想の中で「神戸市都心地域オフィス等立地促進事業」があります。利益追求している企業に、一定の基準を満たせば多額の賃料補助を出す産業振興局~、しかも国の制度でもなく単純に神戸市の予算から支出するバラマキ政策であり、結局毎年ほぼ定額の予算に政策がなくても“使い切る”という体質なのです。
そして、医療分野での問題点をあげると、重要プロジェクトの一つとして、東京に1ヶ所しかないPMDA(独立行政法人医薬品・医療機器総合機構)の薬事戦略相談連携センターが神戸市に設置されましたが、関西地域としての相談件数は期待していた程の成果が上がっていないようです。
このことはPMDAについての発信力や支援内容が充実しておらず、職員さんも現体制では通常のセミナー程度の広報扱いしかできない限界に直面しています。
このことすら神戸市のトップは理解できていないので、財産的価値のある重要なプロジェクトが十分機能していない現状なのです。
なぜなら予算も人事も前年度に対して僅かなプラス・マイナスの調整程度の中で毎年事業を進めていくことが、役所の慣例のようになっているからであります。
戦っている民間企業では戦略に合わせ体制を立て直すことは当然のように行われていますが、いまだに安全運転の役所では都市間競争においても結果、遅れが目立ち始めてきています。
これらのことを改善し、真に必要なプロジェクト等に“人事や予算配分”等、行政トップが決断すれば、有能な職員の皆さんが十分に実力を発揮できる環境が整い、神戸に大きなチャンスが訪れることでしょう。
ところでベンチャー企業でありますが、
先端医療に対する人事と予算を重点配分すれば、PMDA等にも支援やサービスが行き届きますので、その上で手数料や成功報酬を頂くべきと再三申し上げてきました。
その収益を例えばベンチャー企業支援等にと思うのですが・・・。
動かない?神戸市は!
やはり根本的に神戸市のトップが戦略を描き、人事や予算を大胆に見直す勇気が必要なのでしょう。
神戸市会議員 平野章三