政府が以前より県負担の教職員給与を政令市へ移譲することの協議を進めていたことに強い期待をもっていましたところ、いよいよH29年度を目途に県から移譲されることになりました。
現状では神戸市が教職員の人事権を持っていても、兵庫県が給与を一括負担している限り、兵庫県の教育方針や意向にかなり引きずられ、神戸市の教職員の定数や配置等まで強く影響を受けているのであります。
その為、兵庫県教育委員会は“上から目線”というような優位的イメージができ上がっているように感じ、市は県にお伺いをたて配置等を求めていかなければ、何事も進めにくいように思えました。
このような雰囲気は兵庫県に法的な設置義務のある小・中学校の特別支援学校の問題について要望させていただいた時にも、その姿勢が表れていました。
まず、県は神戸市要望や回答は地元選出県会議員を通じることが慣例化されており、要望すら直接伝えることができず、結果的に毎年形式的な要望活動になっているように感じました。
そこで平野は特別支援学校設置要望は慣例にしばられず直接教育委員会と日程調整をした上で、具体的なやり取りを交わしながら意見を戦わせてきました。
県はこの異例な進め方に不満もあり、慣例通り地元選出県会議員を通してほしいとのことでしたので、当然、県会議長もあわせてお願いはしてまいりました。
このことで県市では長年続いてきた上下関係の構図から、騒動はありましたがこの直談判による政治的な動きによって、やがて雪解けのように県市が少しずつ協議できる関係になってきました。
さらに今回の教職員給与について兵庫県から神戸市に移譲されることで、やっと神戸市独自の教育方針を決定することが可能になった訳であります。
今まで県の給与負担の関連により神戸市が持っていた人事権にも影響を受け、実態に応じた動きもなかなか思うようにできなかったわけです。
今後、神戸市教育委員会は人事管理等、システムの事務的な対応と並行して、地域や市民ニーズに応じた神戸市らしい思い切った教育改革をこの機会に十分発揮できるよう準備体制に入っていただきたいと思います。
神戸市会議員 平野章三