障がいをお持ちのお子さんの保護者の方々と接すれば接するほど、それぞれ置かれた環境の違いに対応していく施策が充実できるように、個々具体的に考えていかなければならないと感じます。
そこにはうわべだけでは本当の解決にならない複雑さや、人的支援や予算等の問題が常に重く圧し掛かってきます。
最近、2歳前の厳しいランクの身体障がいと知的障がいを持つ子供さんをバギーに乗せ、相談に来られたお母さんがいらっしゃいました。何度かお会いし、お話をうかがう度に心痛む思いが増してくるのは当然かもしれません。
子育て中、四六時中目が離せない状態が続く毎日、それでも仕事に復帰したい気持ちを持ち続けておられるのです。
確かに障がいのある子供さんを育てながら仕事をすることは難しいのではないかという雰囲気も現実的には強くありますが、子育てと社会復帰が両立できる環境を現状の神戸市に整えられないのか協議してまいりました。
また、いますぐ社会復帰は望まれてはいませんが将来的には復帰したいと希望されている別のご家族も一緒に参加され、かなり細かく質問や相談の機会をつくることができました。
すると現状では、お子さんの通園や保育所の利用は可能であっても、お母さんが平日週5日勤務されれば治療のための外来理学療法等を土日では受けることができないという問題点があるのです。
平日5日勤務の正規雇用の形態で、セラピー(PT理学・OT作業・ST言語療法等)を定期的に確実に受けるために、例えば土曜日の診療ができないのかと求めたのですが、専門的な医師や職員の人材確保が難しく、現段階では解決できる方向は見いだせませんでした。
ただ、“どこに・何の”問題点があるのかが分かってきたような気がします。
お子さんに障がいがなければ、今女性の社会参加として保育所等の受け入れを政府は全力で進めておりますので解決の道筋はできてくるでしょう。しかし、何故障がいを持つお子さんにも同じように支援体制ができないのか、心苦しい限りであります。
政治的な判断も含め、今後も諦めず丁寧に取り組んでまいりたいと思います。
神戸市会議員 平野章三