数年前から神戸市はPMDA(医薬品・医療機器総合機構)の神戸設置の要望を続けてきましたが、厚生労働省の壁は厚くなかなか動くことはなかった中、関西での特区申請が認められた後、神戸市単独予算での相談事務所設置提案にやっとPMDAから薬事相談の協力を頂けることになったことは以前にも申し上げた通りであります。
この流れに突然維新が憲法改正協力の見返りとして自民党にPMDAを大阪ウメキタへ設置するような取引があったようで、関係省庁も維新の圧力に強い気遣いが感じられるぐらいその時から神戸への風当たりも強くなってきました。
ただ神戸市の長年の努力には厚生労働省も評価は高く、神戸市の幹部職員さんや省庁出身方々とで水面下での協議により実質的に成果の出せる審査体制は作り上げてきておりました。
その上この度は矢田市長が厚生労働大臣に直接強い要望を申し入れるという力の入った戦いを行ったのであります。
そのことが結果的に充実した内容ある“薬事戦略相談室”を神戸に設置できることになりました。
そのような動きの中において、日本維新共同代表橋下徹市長の慰安婦問題発言により維新支持率が急速に低下していったことと並行し、各省庁の気遣いも大きな変化が生じてきたのであります。
つまり大阪だけを中心にせず、神戸とともに必要に応じた審査内容の体制をそれぞれに設置することを明確に厚生労働省は認めるという方針変更を決断したのであります。
しかも今回認められた神戸の審査体制については、以前から神戸市が本来求めてきた内容そのものであり、結果的には大阪から取り戻すことができたのであります。
「PMDAについて」大阪は医薬品の製造工程において「製造管理及び品質管理が適切に行われていること」についての調査体制を大阪に設置してもらうことを求めてきました。
一方、神戸は大学等優れた基礎研究の成果を実用化に繋げるため医薬品・医療機器・再生医療等世界的にも高度な薬事戦略分野の相談連携センターとして設置されることが決定したのであります。
その意味では神戸市においてPMDAの中でも高度な審査体制が設置されることで地元企業の事業展開に十分生かされ、神戸医療産業都市としても大きな発展へと繋げることになるでしょう。
このことはやはり神戸市の地元のトップ矢田市長が大阪とも堂々と戦い、さらに直接省庁に乗り込んでの要望活動をしてきたことでこの総力戦としては大きく評価される結果を得られたのではないでしょうか。
神戸市の長年の努力については厚生労働省の評価も高く神戸市の幹部職員さんや省庁出身の方々が水面下での熱意ある協議の積み重ねにより成果ある審査体制を引き寄せたことも忘れてはならないでしょう。
一人でも多くの市民の皆さんが、この隠れた努力に対しても拍手を送ってくださることを私は心から願っております。
しかしながら、
いよいよ大阪が“戦争”を仕掛けてきた為、これからが正念場でしょう。
神戸市会議員 平野章三