神戸市は“デザイン・クリエイティブセンター神戸”を運営していますが、デザインに携わるクリエーターと市民参加・創造都市・街の活性化等、大きな視点からの文言は謳っていますがデザインの対象があまりにも幅広すぎて、私には表現しようとする内容がなかなか見えてきません。
以前、矢田市長と大邱慶北デザインセンター(韓国)のプロダクトデザインを視察した時、韓国ではデザインの内容に具体性があり韓国にいながらニューヨークの情報が同時に入る等、国家プロジェクトとしてのデザイン分野におけるレベルの高さに驚きました。
そこで私は神戸市のデザイン担当責任者の方々に国家戦略としての大邱市でのデザイン分野を是非調査してほしいと提案しました。
すると担当の方々から「是非一度大邱市を訪問し、情報収集したい」旨の強い意向がありましたので、そこで私はかねてより強い信頼関係のあった大邱市長に、昨年12月直接協力を求めることとなりました。
大邱市長は神戸市からの視察受け入れを早速快諾下さり、その際に「友好交流のため、大邱市長と市民訪問団約70名で5月に神戸市を訪れる」との報告を受けました。
そして駐神戸大韓民国総領事からも、せっかくのこの機会に“何か具体的な事業を進めるべき”とアドバイスも受け、デザイン分野での交流協力のための協定をお願いすることになったのです。
神戸市は先端医療分野においては世界から注目される程、研究・開発が進んでおりますが、デザインについては大邱市の足元にもまだまだ及ばない状況であります。
今回、大邱市から神戸市訪問の機会にデザイン分野交流協力の協定書が締結できたことは、この度最大の成果を上げたことになります。
今後は協定書締結を有効に生かしレベルの高い大邱市のデザイン分野に人材交流や情報共有等、どれ程厚かましく食い込んでいく気概があるのか・・、大いに期待したい!
尚、日韓関係が微妙な状況の中、さらに日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長による従軍慰安婦や風俗活用発言が海外メディアにまで強い拒否感として広がってしまったことは誠に残念であります。
しかし神戸市と大邱市においての信頼関係は肌で感じるくらい全く問題はなく他の都市間交流も含め今後とも神戸市の力を発揮していけるでしょう。
神戸市会議員 平野章三