昨年の関電株主総会は株主提案等が大変注目されたので橋下市長の狙いとして関電批判を強めることにより戦っている姿を国民に見せるという橋下市長のパフォーマンスごっこに振りまわされすぎたように私には見えました。
橋下市長は当時高い支持率を背景に、大阪市案としての株主提案を神戸市と調整するという感じではなく一方的に同調を求めるような傲慢さが強く出ておりました。
そのように異様な雰囲気でありながら、神戸市は現実的に市民生活や経済活動の影響も考えた上で一部同調した議案もありましたが、神戸市独自の議案も含め明確な考え方を打ち出してきておりました。
そして今年開催予定の関電株主総会も大阪市は昨年と同じく京都市との共同提案とともに5議案を単独提案するとのことですが、昨年から橋下市長の発言内容が変化してきたのではと思える状況を考えると、昨年同様の株主提案で整合性があるのか疑問を感じます。
ましてや今年は昨年否決された議案等、単に同じ提案を繰り返し、株主総会にも橋下市長は出席しない意向とのことを聞くと、多分国民の関心度は昨年の空気とは大きく違うので電力問題はもはやインパクトのない話題と判断したのでしょう。
このような橋下市長の変わり身の早さとは対照的に、この度の矢田市長は堂々と総会に出席し“関電側の ①電気料金の安定化 ②エネルギー ③原発依存脱却などに向けた取り組み を直接経営陣に対してただしていく”との方針には大いに評価をしたいと思いました。
そして矢田市長は伊丹・宝塚市長選挙で大敗した維新に痛烈な批判をした後、引き続き関電株主総会でも大阪市とは同調せず、昨年と違い神戸市独自の手法で総会に臨むとのことに矢田市長の政治姿勢にやっと強さを感じてきました。
さらにあまり大きく報道されなかったのですが、6月26日に開催されます関西電力株主総会は大阪からポートアイランド(神戸)に変更することになりました。
理由は大阪の会場が手狭ということのようですが大阪に本社がある関西電力が会場を理由にして神戸で開催するとのことは本来考えられないのであります。
特に大阪財界としても関電の影響は大きく最も重要な株主総会を本社のある大阪の地から離れること等ありえないことが起こったのであります。
そのことについての説明はこの度は致しませんが、派手なパフォーマンスを次々打ち出して戦う橋下市長と違い、地道な中に“戦略のある矢田市長の戦い”はやがてボディブローのように効果が表れてくるのではと期待していきたいと思います。
このことは神戸市の優秀な職員の皆さんが高度な戦略を描いているはずで、それぞれプロジェクトには国そして都市間等の状況を判断し、各局と連携を取りながら行動していることはまさに “知る人ぞ知る” であります。
できれば
~堅実さだけでなくもっと強い
戦う発信力が~
神戸市会議員 平野章三