神戸医療産業都市の戦略として数年前から神戸市にPMDA(医薬品医療機器総合機構)の出張所を設置し、医療関連企業のさらなる集積とともに大きく事業展開できるように検討してきました。
あ~~、そうそう~
PMDAの説明をします。
<<医療品や医療機器(再生医療も含む)などの品質の有効性および安全性について治験前から承認までを一貫した体制で指導審査することを目的とした独立行政法人>>
しかし設置についてはなかなか認めてもらえなかったのですが、関西イノベーション国際戦略総合特区に認定されましたので規制緩和を要望してきたところ、
ようやく出張相談やテレビ会議,システムを利用した事前面談等を認めてくれることになり一歩前進してきました。
日本が医療品や医療機器の開発に先進国の中で後れをとっているのはPMDAが東京に一か所しかなく、さらに審査体制が申請件数に追いつかず承認まで長期間必要とされ、医療関連の開発スピードに大きく影響しているのが現状です。
そこで私はPMDAで最終認証される必要条件についての審査を事前にお手伝いする相談所を神戸市単独で設置するように動きました。
このことは医薬品や医療機器の分野だけでなく、特に再生医療への応用としてiPS細胞を使った臨床研究の実施(治験)に向けた安全性・有効性を審査していくことにもなります。
高橋政代先生の神戸でのiPS細胞を使用した網膜の治療が世界で初めて行われることから、神戸市の事前相談はiPS細胞の再生医療としての審査内容が今後のモデルケースになると思われます。
さらにiPS細胞を使うことによって人への治験を直接することなく薬の効果や安全性が確認できるなど医薬品の開発が進みやすくなり、より一層審査機能の役割に重要性が増してきます。
神戸市では山中先生のノーベル賞受賞により民・自・公が議員立法として再生医療法を提出し研究開発から実用化まで総合的に法整備を推進することになり、山中先生と網膜再生の研究に取り組んでいる高橋先生との連携が、これを機に今後本格的な治療へ加速していくことになるでしょう。
科学技術では単純な仕分け作業によって
「世界一になる理由は何かあるんでしょうか?」
「2位じゃダメなんでしょうか?」
等と一度は後退しましたが・・。
医療関連企業の要望も強いPMDAの相談窓口を神戸市が積極的に設置へ動き出したことは以前からの努力に加え、恵まれたチャンスが次々重なり合うなどの結果により、一気に国の重要拠点になる日は近いと思います。
尚、10月30日には「PMDA薬事戦略相談」の神戸開催と記念講演会が行なわれ、この日初めて相談を受け付けました。
PMDA担当の方は
適切な助言により薬事申請の短縮や低コスト化等の努力とともに今後は審査の立場からではなく、開発のパートナーとして実用化に向け開発初期から指導する考えを示されました。
私も神戸の相談体制を強化していけるよう予算計上するのでさらに強い支援をしてほしいとお願いしたところ
「相談があればいつでも対応できるようにするので申し入れて下さい」との心強い言葉をいただきました。
私としては、今後神戸にPMDAの出張所開設への明るい見通しができたことを自信を持って報告をさせていただきたいと思います。
神戸市会議員 平野章三