3年毎に見直す介護保険料は高齢者人口,要介護等の認定者数,在宅および施設サービス料の推計により試算していきますが、サービス利用自己負担1割の残り9割が保険から給付され、その財源の半分は保険料、残り半分は国・県・市で負担することになっています。
そのため今後高齢化に伴う利用料の増加が保険料の負担増になっても認めなければならないようになります。
神戸市は当初1号被保険者(65歳以上)の保険料基準月額を
現行の4,640円/月より 5,400円/月程度 になると見込んでいました。
その根拠として介護サービス給付費総額(24~26年度の3ヶ年合計)3,500億円程度と試算し、保険料引き下げを図るため神戸市介護給付費等準備基金約37億円(平成23年度見込み)の半額を取り崩すことによるものであります。
しかしその後給付費総額3,405億円、基金49億円の見直しがされたことや兵庫県介護保険財政安定化基金の神戸市拠出分12億円のうち7億円を取り崩すことにより保険料基準月額
5,400円/月を 5,200円/月程度 に抑える方針にしたようです。
但し、この保険料は本人の所得や課税状況、世帯の課税状況などにより負担額が異なりますので申し添えておきます。
確かにほぼ自動的な形で保険料が今後上がっていくにしても、この時点で消費増税のような目立った議論もなく決定されることに市民の方々はどのように思っておられるのだろう、時々引き落とされていることに不満の声はよく聞いていますが・・・。
又この度神戸市は第5期介護保険料区分で新たに12段階目を2.25という高い料率で新設しましたが、区分ごとの人数からして引き下げに大きな影響を与える程もないのに制度だけは簡単にしかも安易に変更する保健福祉局の真剣さを疑います。
私は高額所得者から取ることに一方的に反対しているのではありませんが、税金はすでに高額納税している中で資産が評価されていません。
資産があっても所得が低い人もいれば、所得があっても資産のない方もいます。
しかしこのことは今日の制度では考慮されていないことは承知していますが、それだけに慎重な判断をすべきではないでしょうか。
ところで私は都市の政策によっては施設設備やサービスに違いがあり、そして当然関連する介護保険料に差が出ますので最終的に介護サービスの在り方について 保険料負担とのバランスを考えながら政策判断する必要があると思います。
施設等のサービスが十分充実している都市の方が当然安心感はありますが、例えば入所目的で他都市より転居される方が増えた場合、連動して市民の保険負担料が増加していくことになります。
したがって、保険料負担の在り方等、十分配慮しつつ適切な介護サービスについての政策判断を今後もしていきたいと思います。
神戸市会議員 平野章三